09.04.2005
サルでもできる国際協力2(フェアトレード編)
予告どおり、フェアトレードについて。
言葉は聞いたことあるよ、という方も多いと思うのですが、ホワイトバンドほどには知られていないかと思いますので、紹介させていただきます。
日本でも世界中から様々なものが手に入るコーヒー。スーパーでも、百貨店でも、町の喫茶店でもいろいろな種類が売っています。これらは主に中南米やアフリカの国々で生産されているのですが、このコーヒーの売上のうち、どのくらいが生産者の取り分となるかをご存知でしょうか。
(正解はこちらを反転させてみてください)
小売業者:25%
荷主及び焙煎業者:55%
輸出業者:10%
生産者:10%
そう、生産者の取り分はわずか10%に過ぎないのです。この数字を見て、「意外と多いじゃない」と思った方もいるかもしれません。私もその1人でした。しかし、この10%で耕地の整備、灌漑、農薬、人件費等一切を賄うことを考えると、農民1人に渡る金額は極めて少ないのです。
これはコーヒーの例ですが、途上国ではこのような農産物、手工芸品などの伝統産業に従事する生産者が、市場の知識に疎かったり、業者との交渉手段を持たなかったりして、生産コストを下回る金額で仲買人に買い叩かれてしまうケースが多いのです。結果、彼らは適正な収入を得られず、貧困の悪循環から抜け出せないという事態に陥っています。
フェアトレード、とは文字通り「公正な貿易」を意味しますが、1960年代にヨーロッパでの社会運動に端を発します。それまでは途上国への援助と言えば、「金銭または物資を援助すること」を意味したのですが、それでは彼らの自立に繋がらないということで、彼らが生産した製品を「適正な価格で」購入する事で、経済的・社会的な自立を手助けしようという考え方が起こってきました。今でこそこのような考え方(援助用語で「自立発展性」と言いますが)は、どの国の援助機関も指標として重視していますが、当時は非常に画期的な考え方でした。
さて、そのような考え方から起こってきたフェアトレードの精神ですが、80年代には商品に認証ラベルを貼って、消費者がフェアトレードの製品を選び易くする、という方法が考案されました。現在では大きく分けて2つの手法が採られています。
1つめは、商品にフェアトレードの認証ラベルを貼付し、先進国の小売店の店頭でフェアトレード商品と認識させて購入させる方法です。この方法を推進しているのが、「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」。どちらかといえば、マーケティング的な発想から広まった方法と言えるでしょうか。
(FLOホームページ[英語])
http://www.fairtrade.net
(FLOラベル:左が新ラベル)


また、先進国のフェアトレード商品小売業者が、生産者の状況を個別に評価・判断してフェアトレード商品を独自に輸入・販売していく方法もあります。この方法を推進しているのが「国際フェアトレード連盟(IFAT)」。こちらは、フェアトレードの枠組み作りを目的として発展した組織と言えるでしょう。
(IFATホームページ[英語])
http://www.ifat.org/
(IFAT認証マーク:団体を認証するためのものであり、商品への貼付はできない)

フェアトレードを実施する団体(その多くは非営利)は、先進国で売れる商品や生産方法などの情報を、パートナーである途上国の生産者に提供し、生産者が生産コストと地域の発展に投資するコストをカバーできる価格で商品を買い取ります。
その商品は、仲買人や中間業者を経ずに先進国のフェアトレード実施団体に納品され、直営店や通販を通じて消費者に届けられます。
フェアトレードの先進国と言えるのは、スイスと英国です。スイスではバナナの25%が、英国ではコーヒーの20%がフェアトレード製品で占められています。また、2003年のフェアトレード製品販売量統計でも、この2カ国だけが2万トンを超えています。第3位のオランダが6千トン弱であることを考えると、「群を抜いている」という表現も誇張ではありません。日本の2003年の数字はわずか38トンにとどまっています。
(各国のフェアトレード商品販売量)

残念ながら日本は、フェアトレードの分野では先進国とは呼べませんが、大手小売業の中では、民主党の岡田代表のお父さんが会長を務めるイオングループがこれに力を入れています。コーヒーをジャスコやミニストップなどで扱っているのを始めとして、オリジナルブランド「SELF+SERVICE(セルフサービス)」内でもフェアトレードのアパレルやアクセサリーを取り扱っています。
また、よく知られる小売業では、スターバックスやザ・ボディーショップでも、フェアトレードへの取組みを行っています。よく知られていないけど、フェアトレード専門でやっている企業としては、People Treeが挙げられます(IFATの認定を受けています。自由が丘に直営店あり)。
これら以外にも、数多くのNGOなども独自にフェアトレード商品を扱っています。ピースウィンズ・ジャパンなどが有名ですが、「フェアトレード商品」で検索すればいくらでも出てくるので、興味のある方は是非調べてみてください。掘り出しものが見つかるかもしれません。
というわけで、かなり長くなってしまいましたが、サルでもできる国際協力、Part2でした。
言葉は聞いたことあるよ、という方も多いと思うのですが、ホワイトバンドほどには知られていないかと思いますので、紹介させていただきます。
日本でも世界中から様々なものが手に入るコーヒー。スーパーでも、百貨店でも、町の喫茶店でもいろいろな種類が売っています。これらは主に中南米やアフリカの国々で生産されているのですが、このコーヒーの売上のうち、どのくらいが生産者の取り分となるかをご存知でしょうか。
(正解はこちらを反転させてみてください)
小売業者:25%
荷主及び焙煎業者:55%
輸出業者:10%
生産者:10%
そう、生産者の取り分はわずか10%に過ぎないのです。この数字を見て、「意外と多いじゃない」と思った方もいるかもしれません。私もその1人でした。しかし、この10%で耕地の整備、灌漑、農薬、人件費等一切を賄うことを考えると、農民1人に渡る金額は極めて少ないのです。
これはコーヒーの例ですが、途上国ではこのような農産物、手工芸品などの伝統産業に従事する生産者が、市場の知識に疎かったり、業者との交渉手段を持たなかったりして、生産コストを下回る金額で仲買人に買い叩かれてしまうケースが多いのです。結果、彼らは適正な収入を得られず、貧困の悪循環から抜け出せないという事態に陥っています。
フェアトレード、とは文字通り「公正な貿易」を意味しますが、1960年代にヨーロッパでの社会運動に端を発します。それまでは途上国への援助と言えば、「金銭または物資を援助すること」を意味したのですが、それでは彼らの自立に繋がらないということで、彼らが生産した製品を「適正な価格で」購入する事で、経済的・社会的な自立を手助けしようという考え方が起こってきました。今でこそこのような考え方(援助用語で「自立発展性」と言いますが)は、どの国の援助機関も指標として重視していますが、当時は非常に画期的な考え方でした。
さて、そのような考え方から起こってきたフェアトレードの精神ですが、80年代には商品に認証ラベルを貼って、消費者がフェアトレードの製品を選び易くする、という方法が考案されました。現在では大きく分けて2つの手法が採られています。
1つめは、商品にフェアトレードの認証ラベルを貼付し、先進国の小売店の店頭でフェアトレード商品と認識させて購入させる方法です。この方法を推進しているのが、「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」。どちらかといえば、マーケティング的な発想から広まった方法と言えるでしょうか。
(FLOホームページ[英語])
http://www.fairtrade.net
(FLOラベル:左が新ラベル)


また、先進国のフェアトレード商品小売業者が、生産者の状況を個別に評価・判断してフェアトレード商品を独自に輸入・販売していく方法もあります。この方法を推進しているのが「国際フェアトレード連盟(IFAT)」。こちらは、フェアトレードの枠組み作りを目的として発展した組織と言えるでしょう。
(IFATホームページ[英語])
http://www.ifat.org/
(IFAT認証マーク:団体を認証するためのものであり、商品への貼付はできない)

フェアトレードを実施する団体(その多くは非営利)は、先進国で売れる商品や生産方法などの情報を、パートナーである途上国の生産者に提供し、生産者が生産コストと地域の発展に投資するコストをカバーできる価格で商品を買い取ります。
その商品は、仲買人や中間業者を経ずに先進国のフェアトレード実施団体に納品され、直営店や通販を通じて消費者に届けられます。
フェアトレードの先進国と言えるのは、スイスと英国です。スイスではバナナの25%が、英国ではコーヒーの20%がフェアトレード製品で占められています。また、2003年のフェアトレード製品販売量統計でも、この2カ国だけが2万トンを超えています。第3位のオランダが6千トン弱であることを考えると、「群を抜いている」という表現も誇張ではありません。日本の2003年の数字はわずか38トンにとどまっています。
(各国のフェアトレード商品販売量)

残念ながら日本は、フェアトレードの分野では先進国とは呼べませんが、大手小売業の中では、民主党の岡田代表のお父さんが会長を務めるイオングループがこれに力を入れています。コーヒーをジャスコやミニストップなどで扱っているのを始めとして、オリジナルブランド「SELF+SERVICE(セルフサービス)」内でもフェアトレードのアパレルやアクセサリーを取り扱っています。
また、よく知られる小売業では、スターバックスやザ・ボディーショップでも、フェアトレードへの取組みを行っています。よく知られていないけど、フェアトレード専門でやっている企業としては、People Treeが挙げられます(IFATの認定を受けています。自由が丘に直営店あり)。
これら以外にも、数多くのNGOなども独自にフェアトレード商品を扱っています。ピースウィンズ・ジャパンなどが有名ですが、「フェアトレード商品」で検索すればいくらでも出てくるので、興味のある方は是非調べてみてください。掘り出しものが見つかるかもしれません。
というわけで、かなり長くなってしまいましたが、サルでもできる国際協力、Part2でした。
Trackbacks
このところホワイトバンド関係のブログをイロイロと拝見させていただいています。今の日本では遠い国の貧困に興味を持つ人がほとんどいないというのが実際のところだと思います。このオレもホワイトバンドがなかったら、そういう問題にここまで興味を持つことはなか
2005/09/05 (Mon)
00:32 | オレのスニーカー日記
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Comments
また、クリックしたら、本日は12000以上の協力があったそうな・・・
cabronさん頑張ってね。
私もさるに負けないように、今度、フェアトレード商品検索してみるね!
やり方は、コピー&ペーストのときと同様、白い部分をドラッグしながら選択すればよいのです。
ご自分のブログでは華麗なテクニックを披露されているDorothyさんらしからぬお言葉に、思わずほほえんでしまいました(笑)。
フェアトレードについてとても分かり易く丁寧にまとめられていて参考になりました。
リンクとTBをさせていただきます。
オレがフェアトレードに興味を持ったのはホワイトバンドを通してです。
そういう意味ではオレのホワイトバンドは少しは役目を果たしているように思います。w
前にブログでフードマイレージについての記事を書いた時にも思ったことですが、日本ではこういう活動があまりにも知られていないように思います。
今度コーヒーを買う時は、ジャスコでフェアトレード商品を買ってみようかな。
はじめまして。TBありがとうございます。
記事を読ませていただいたところ、seismicさんは、正しく趣旨を理解されてて賛同されているみたいですね。
小生も、「心にホワイトバンド」の気分で自分にできることをしていきます。
>ムーニーさん
すっかりご無沙汰しており、すみませんっっ。
小生も、社会に出て現実を見てしまった後なので、「人のためになることをしましょう!」などと声高に叫ぶほどの情熱は失くしつつあるのですが、芯の部分の残り火だけは取っておきたいと思っています。
フェアトレードコーヒー、見つけたら是非買ってみてください。
リアルな数字もあって、
大変勉強になりましたー
ありがとうございます。
ぼくもコーヒーをフェアトレード
商品にしてみようと思いますー。
私?皆さんができてる様な基本的なことを実はできないことがたくさんあります。
是非是非、フェアトレードコーヒーにしてみてください。
記事には書かなかったのですが、実はフェアトレードは、環境に負荷をかけない農法や、オーガニックにこだわって栽培されているものが多いのです。
きっと美味だと思いますよー。
>Dorothyさん
やり方は簡単!
背景と文字の色(この場合は白)を同じにするだけですよ。
是非、ご自分のブログでもお試しあれ。
なんかできそうな気がする。
うれしいな!ぽち。
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