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Wed.

Banana Republic

折角、中南米担当部署に異動したので、たまには中南米関係の話題も。

バナナ・リパブリック、と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか。
これでしょうか。
ちなみに、小生はそうでした。

有名なGAP系列の高級カジュアル(って何だ)ブランドです。
(GAPよりワンランク上がBanana Republic、ワンランク下がOld Navy。)
ファッション雑誌などでは「バナリパ」と略されてましたね。
小生も大学時代に何枚かここのTシャツを持っていましたし、米国のバナリパで買った小さいショルダーバッグは今でも愛用しています。

1年半ほど前に中米に初めて出張に行った頃、この言葉に他の意味があることを知りました。
この仕事をしていながら、知らなかったのは恥ずかしいことなのですが。

研究社の新英和中辞典を引くと、
バナナ共和国《経済・政情不安定で外資に操られる中南米の小国》
とあります。
まあ、言うなれば蔑称ですね。

ちなみに、最初にこの名称で呼ばれたのは、小生が昨年7月に訪れたホンジュラス。多国籍企業による大規模プランテーションで、20世紀初頭から第二次大戦後まで世界最大のバナナ輸出国だったそうです。

そう言えば(現在は絶版になっていますが)高校1年生の頃の課題図書で、犬養道子氏の「人間の大地」というのを読んだ記憶があります。内容はかなり忘れてしまったのですが、世界で起きている問題(ボートピープル、モノカルチャー経済、多国籍企業による搾取等)について扱ったものでした。当時は、多国籍企業(例えば、バナナでも有名なドール)がいかに現地の労働力を不当に扱っているかなどを読んで、高校生ながらに「今後、同社の製品は買うまい」などと思ったものでした。

それはさておき、中南米地域はよく「米国の裏庭」という言い方をされます。つまり中南米に対する米国の影響力は絶大で、好きなように振舞うことができる、という訳です。だからこそ、上記のような「蔑称」も普通に使われてきたわけです。

しかし最近、この潮流が変わりつつあります。

中南米にこのところ、左派政権が次々に誕生し、必ずしも親米でない国が増えてきているのです。例えば、中南米で唯一のOPEC加盟国であるベネズエラや、豊富な天然ガスを持つボリビアなどが、「資源ナショナリズム」を背景に反米的な姿勢を強めています。ベネズエラのチャベス大統領が、昨年の国連総会でブッシュを「悪魔」と呼んだのは記憶に新しいところですね。

資源ナショナリズムとは、石油や天然ガスなどの天然資源を持つ国が、自国の資源を自分たちで開発・管理しようとする動きです。要するに、「オレのものはオレのもの」ということですね。例えば日本はこれまで、中東やインドネシアなどで、「油田の開発は我々がやるから、そこから出る石油を買う権利を少しちょうだいな」というやり方で、自分の国では採れない資源を確保してきた訳ですが、資源ナショナリズムが強まると、これが通用しなくなります。

ベネズエラは自国の石油産業を米国傘下から切り離して、同国への供給を縮小する一方、米国が経済制裁をしているキューバや中国への原油供給は相当な勢いで増やしています。また、ボリビアは、世界的にあらゆる国営企業が民営化される流れの中、グローバリゼーションに反旗を翻して、天然ガス会社を民営から国有化しました。これらの動きは、まあ、左派政権の人気取り政策(中南米ではとりあえずアメリカの悪口を言っていれば、その国の人と仲良くできます)と言えないこともないのですが、ブラジル、アルゼンチン、チリ、エクアドル、ウルグアイと次々に左派が台頭するのを見ると、一過性のものでない気はします。ちなみに、昨年は米国に最も近いメキシコでも、あと一歩で左派政権が誕生しそうになりました。

もちろん、米国も手を拱いている訳がなく、ベネズエラに対して武器の輸出を停止したり、人身売買対策が不十分だとして制裁措置を取ったりしています。しかし、米国で消費する原油の15%を提供してくれるベネズエラの首を絞めすぎることもできないでしょう。また、続々と誕生する左派政権を敵に回すことは、既に米国民のかなりの割合を占め、様々な産業や購買力を支えているヒスパニック系を敵に回すことになります。

裏庭の面積が徐々に縮小されつつある(=資本主義で好き勝手ができなくなりつつある)昨今、米国でBanana Republicと聞いて、ブランド名しか思い浮かばない若者ばかりになる日も、そう遠くないかもしれません。
00:43 | 時事・社会 | comments (6) | trackbacks (0) | edit | page top↑
涙、for sale | top | ちょこっとね。

Comments

# 成長する国々
「日本むかしばなし」の「正直な小作人から搾り取る長者さん」のようなイメージでアメリカを見てしまいます。日本もそうなんでしょうね。

 人材も資源も、しっかりと管理できるようになったら、資源のある国が栄えるのは当たり前ですよね。
 資源の少ない日本が、この先どうなっていくのか……、子どもがいると少し先の未来のことが気になります。
by: ムーニー | 2007/02/22 03:42 | URL [編集] | page top↑
# human resources
>ムーニーさん

日本の例だと、ユニクロなんかは現地の一般的な労働者より随分いい給料を中国の工場で払っているというのを見たことがあります(なので、募集をかけると競争率が凄いのだとか)。

とはいえ、ある程度は安く働いてもらわないと、資本主義の原則から言って、国外に進出する意味が無くなってしまうのでしょうけどね。

以前にもブログでちょっと述べたのですが、天然資源が無いからこそ、人的資源を育てることには躊躇してはいけないのだと思います。
by: cabron | 2007/02/23 00:03 | URL [編集] | page top↑
# 人間の大地
はじめまして。fracocoと申します。
つい最近、「人間の大地」を読んだところでした。
人間の大地では、多国籍企業が「南」の国々の政権まで左右する事態(ex軍事政権の樹立)が述べられていましたね。
そうした状況もすこしずつ変わりつつあるのでしょうか。

本が書かれたのが二十余年前。
消費主義傾向は相変わらずかな、と読みつつ思いました。
南の国を援助するのみならず、北(先進国)もすこし痛い目をみる(exときにはコーヒーを飲むのを控える、ごくつましい食事をする日を設ける)ことが大切、と説かれていたのが印象にのこりました。
by: fracoco | 2007/02/23 12:37 | URL [編集] | page top↑
# いらっしゃいませ。
>fracocoさん

初めまして。ようこそいらっしゃいました。

そうですね、消費主義的傾向は改まるどころか、「拝金主義」に近いところまで来ている気がします。ホリエモンはそんな時代の寵児ですよね。グローバリズム(≒日本の米国化)も行き過ぎは考え物だと思います。

fracocoさんのコメントで少し思い出しました。他人のことを見て見ぬ振り、の人が多い現代、犬養嫗はどう思っているでしょうか。

下世話な話題の多い当ブログですが、たまに真面目なことも書いたりしてますので、ぜひ以後お見知りおきを(最近、出張がない部署に異動してしまったので、国際ネタは減りつつありますが…)。
by: cabron | 2007/02/24 00:12 | URL [編集] | page top↑
#
私も『Banana Republic』と聞くと、ブランド名しか思い浮かばない1人です。
まさか蔑称で、そんな裏事情があったとは!

難しいことはわからないけど
AUSって結構反米感情があるんですよね。
おとといチェイニー副大統領がシドニーに到着して、反対デモがありました。

そういえば、だいたいのOZはアメリカ人のことを好きじゃないみたいです。
米語もすごく馬鹿にしてるし…
アメリカ人はOZのことは眼中にないみたいだけど。
by: Mink | 2007/02/24 10:47 | URL [編集] | page top↑
# 知りませんでした。
>Minkさん

同じ英語圏でもアメリカは嫌われ者なのですね。
確かに、カナダ人もアメリカ人と間違えられるのをすごく嫌がりますからね。

しかも副大統領が来るだけで反対デモって、、、
かなりアレルギーがある人たちがいるんですね。

そこまで嫌われているのに、覇権を維持しているのは、ある意味で凄いです。中国は30年後にその地位に取って代わるのが国家戦略らしいですけど。
by: cabron | 2007/02/25 00:34 | URL [編集] | page top↑

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