--.

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | スポンサー広告 | edit | page top↑
Wed.

マーシャル日記(その他編)

今日はマーシャル日記、その他編。
これまでの話と重複する部分もありますが、これまでに分かったことなどを簡単にまとめておきたいと思います。


1.マーシャル人気質

マーシャルは表面上、近代国家制度を取り入れていますが、実は伝統的な酋長制度が社会の中に根強く残っています。土地所有などが良い例で、通常日本であれば、土地を購入したり、個人名で登記したりといったことが可能ですが、ここでは全ての土地が、島に何人かいる大酋長のものです。土地の利用については、会社や役所はリース料を支払って、その他の庶民はタダで、土地を使わせてもらいます。ですから、せっかく土地の登録制度などを作っても、国全体で2件しか登録されていなかったりします。。。

また、酋長がタダで土地を貸すことから類推できるように、伝統的な互助社会であり、一族やムラ社会のうち、誰かが優秀でお金を稼いでいれば、その稼ぎをみんなで分配して食べていく、という構図。なので、失業率が高くても大して問題になりません。

ムラ社会では、人間は必然的に衝突を避けるようになります。したがって、彼らはあまり自分の意見を言いません。それが美徳であるようです。また、日本以上に年功序列が厳しく、長幼の序を重んじる社会。上の立場の人から意見を言われると、自分が正しいと思っていても飲み込んでしまいます。

このようなかれらの気質は、我々のような外国人には分かりにくく、協議をしていても全く意見を言わない彼らに、最初は少々戸惑いました。でも、自分たちのモノサシを相手に無理矢理あてはめるのはよろしくありませんので、今後ともじっくり付き合って行きたいと思います。


2.外国人が牛耳る社会

この国に外国からの援助が沢山入っているのは前回お話ししたとおりです。
空港は米国、水道・道路は日本、市役所庁舎・消防署は台湾、と言った具合です。これについては、各国それぞれに思惑があり、マーシャル側もそれを希望してきているので、どうしようもありませんが。。。

この国の国際玄関口である、空港。小さいです。
20060215222144.jpg

日本が作った道路。かなり立派です。
ちなみに、奥に見えるかまぼこ型屋根の体育館も日本の無償供与です。
20060215222154.jpg

今回の協議相手についても、水道公社の社長は英国人、環境局代表(環境への影響を評価している人)は雇われ米国人、国で唯一のゼネコンの社長も米国人。マーシャル人は、来てもすぐ帰ってしまったり、一言も発言しなかったり…。一体、ここは誰のための国なのでしょうか?米国人がこう言っているそうです。
「なに、あと20年もすれば奴らの方から米国にしてくださいと言ってくるさ」


3.日本との関係

日本からの援助、日系人が多いことなどから、対日感情は非常に良好です。そもそも、現在の大統領からして祖父が日本人の日系3世。外務大臣は日系4世。「桃太郎ストア」とか、何故か苗字が「Chutaro」(忠太郎?しかも、何故苗字に使う?)とか、日本語は様々なところに残っています。ドライバーさんが"He went to Benjo.(便所)" と、いきなり(もちろんふざけて)のたまったのにはびっくりしました。ちなみに、学校で学べる唯一の第二外国語が日本語です(必修外国語は、もちろん英語)。

また、第二次大戦中は激戦地となったこの国には、多くの御霊が眠っています。マジュロにも日本国政府建立の慰霊碑があります。
20060215222109.jpg 20060215222120.jpg

小生も慰霊碑脇で1枚記念撮影。
20060215222131.jpg

小生の滞在時もここの人たちが慰霊旅行に来ていました。

しかし、、、日本で「マーシャル諸島共和国」を知っている人は、、、少ないかもしれないですね。


4.環境

この国最大の売りである(!?)海は、、、、沖まで出ればある程度は綺麗です。しかし、沿岸部はあまり透明度が高くないという印象を受けました。
写真で見ると綺麗に見えるんですけどね。。。(写真はホテルの裏側の海)
20060215222056.jpg

日曜日に、あまりにやることがなくて、あまり綺麗でないこの海に飛び込んで泳いだら、足に何かのトゲが刺さり、腕も何かに刺され、、、その痛いこと痛いこと。15分で断念しました(汚い写真なので、拡大しないことをおススメします)。
20060215222211.jpg 20060215222553.jpg

それ以外にも、前回の記事に書いたとおり、捨て場がないので海にゴミを捨てたり(車が捨ててあるの、分かりましたか?)、下水を未処理で海へ放流したり、島にごく近い部分の珊瑚は死んでいたりと、環境はかなりの勢いで破壊されていると考えられます。


5.経済

自国通貨はありません。米ドルが流通しています。完全に貨幣経済に組み込まれているので、先に説明したとおり、人々はスーパーで物を買い、工業製品に囲まれて暮らしています。しかも、ほぼ全てが輸入品ですので、値段はそんなに安くありません。手元にある2006 データブック・オブ・ザ・ワールドによれば、輸出1に対し、輸入10の超!貿易赤字です。
それにしても、森永マリーとかきゅうりのキューちゃん金箔入り松竹梅まで売っているのには驚きました。

数少ない「資源」である観光開発は、少し本格的にやれば可能性はあると思うのですが、何しろ国土が存在しない国なので、行くところが海しかない、というのは少し辛いところですね。


6.可能性

昨年ボリビアに行った際も感じたのですが、資源や農作物などが豊かで、食べるに困らない国、一年中温暖で、その辺の通りで寝ていても死なないような国の人たちは、概してあまり働き者ではありません。北側世界に先進国が多いのは、働かなくては/頭を使わなくては、野垂れ死んでしまうからではないでしょうか(あまりにも単純に過ぎる分析ですが)。
マーシャルの場合においても、いろいろな国が助けてくれる、国家予算は米国から入ってくる、仕事がなくなっても互助社会でそれほど困らない、しかも通りで生活しても凍え死ぬこともない、となれば働くモチベーションが起こらないのは当然の話です。

これを踏まえると、マーシャル(やその他の太平洋諸国)が発展するためには、まず一度、あらゆる国がその援助を引き揚げた方がいいのではないか、と感じました。まあ、彼らが発展を望んでいるとも思えませんが。

行ったことがないので何とも言えませんが、アメリカの経済封鎖を受け、さらにソ連崩壊で壊滅的な打撃を受けたキューバでは、貧しくとも人々が幸せに暮らしていると聞きます。教育水準も高く、ストリートチルドレンもいないのだとか。マーシャルも互助精神が発達しており、ストリートチルドレンはいません。キューバが採用する、資本主義と社会主義のミックスの「混合経済」についても、酋長制度が生きているこの国で、何か参考になることがあるのではないかと思います。全くの思い付きですが。


次回は「番外編」をお送りします。
22:26 | 出張・旅行 | comments (7) | trackbacks (0) | edit | page top↑
マーシャル日記(番外編) | top | マーシャル日記(お仕事編)

Comments

# 見えない未来
昔に戻れるわけではなくて、未来の展望もあるわけではない……のかな。
それは日本も同じかもしれないですね。
自給自足のできていた昔を「あのころはよかった」といっても、農業の担い手は減る一方ですし、
今の便利な生活に必要なものを手放すこともできないんですもの。
 マーシャル諸島の人々は、どんな国にしていくつもりなんでしょうね?

 足と腕はもう治りましたか?
by: ムーニー | 2006/02/16 14:50 | URL [編集] | page top↑
# 人類の縮図?
>ムーニーさん

かなりマクロ的な視点から見たら、人間って、自らの技術を進歩させて
生活を便利にして、その一方で地球の資源を使い尽くして、環境を破壊
して、、、この星のキャパがなくなったところでいなくなる運命なのでしょ
うね。

マーシャルは、その縮図なのかもしれません。
by: cabron | 2006/02/17 02:25 | URL [編集] | page top↑
# no title
こういう国の援助って・・・たてものも道路も施設設備も大事ですが、やっぱり教育だと思う。
時間がかかるようですが、結局は良い人材を育てること、一人でも二人でも地道に・・・
日本語教師になって助けられたらな・・・と夢のように思うのです
by: Dorothy | 2006/02/17 23:05 | URL [編集] | page top↑
# 全くそのとおりですね。
>Dorothyさん

教育分野が最も大切だというご意見、全くそのとおりだと思います。
人が国を支える礎(いしずえ)ですしね。保健医療も農業も、全て
教育が前提となっていますよね。

ですので、(固有名詞は避けますが)日本がこの国に投じているボ
ランティアの殆どが教員です。

小生も、いろんなところで「小学校建設」などの名目で寄付が募られ
ていると、つい小銭を入れてしまいます。
by: cabron | 2006/02/18 00:29 | URL [編集] | page top↑
# no title
まったく意見を言わないということに、ちょっと驚いちゃいました。
すべてにおいて、「人まかせ」のようにも見えるんだけど
そういう体制に慣れちゃってるというか、「当たり前」のようになってるんですね。
観光開発はあまりされてないみたいですけど
その慰霊のために来る人達以外、日本からの旅行者はいないんですか?
by: Mink  | 2006/02/18 12:32 | URL [編集] | page top↑
# 島の現状
>Minkさん

自分の意見を言わないことについては、本当にびっくりしたのです
が、それが彼らのやり方なんですよね。この仕事をしていると、本当
にいろいろな価値観や文化に出会えます。今回もまた、勉強になり
ました。

観光客は、たまーに、スキューバをやりにくる日本人がいますが、
全体的には極めて少ないですね。欧米人バックパッカーなどもあま
りいないような気がします。もしかすると、離島に行けばいるのかも
しれないんですが。
by: cabron | 2006/02/18 15:36 | URL [編集] | page top↑
#
諸島には大酋長が何人かいるようですが、その大酋長さんたちの名前なんてわかります?
by: 名無しさん | 2010/06/14 20:16 | URL [編集] | page top↑

post a comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

この記事のトラックバックURL:
http://cabron.blog10.fc2.com/tb.php/160-ca279f94
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。