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Sun.

次の出張

来週の日曜日から、マーシャル諸島という国に出張します。
20060122212405.gif

この国、第二次大戦終了まで30年間にわたり日本が占領していたこともある、大洋州(オセアニア)の国の1つです(大洋州各国についてはこの辺を参照してみてください)。人口6万人の小さな国ですので、日本人にはほとんど知られていませんが、第5福竜丸が被爆した「ビキニ環礁」と言えば、学校で習ったことがある人も多いかもしれません(その事件も、今から50年以上前のことです)。小生も「ビキニ、ビキニ」と言って喜んでいた記憶があります(苦笑)。

場所はこちらです。
20060122165211.jpg

意外なことに、北半球なんです(ほぼフィリピンと同緯度)。
あれ、そうでもないですか?小生、オセアニアと聞くとどうしても南半球を連想してしまうのですが。。。

この国を始めとして、大洋州諸国には深刻な問題が多いのです。
国にもよりますが、大雑把に言って以下のような問題が挙げられます。

・環境問題(海面上昇、廃棄物処理)
・慢性的な輸入超過・財政赤字・外国からの援助頼み
・国内産業の少なさ、失業率の高さ
・水不足 など

GDPなどの指標を見る限りでは、アジア・アフリカ等、他の地域の途上国と比べてかなり恵まれている印象を受けます。しかし、例えば海面上昇などは、国土が消滅するかもしれないという、国家としての存亡がかかった大問題です。


以下、小生が今度訪れるマーシャル諸島を例に取って見てみます。

まずは海面上昇。
最高海抜は6m、平均が3m。既に地球温暖化の影響をかなり受け始めています。

そして、廃棄物処理。
全ての諸問題に関わってくるのですが、この国は日本語で「諸島」とはなっていますが、国土の全てがサンゴ礁です。つまり、「島」と呼べるような立派な国土が存在しないのです。
下の図は、小生が業務で作成したプロジェクトペーパーをそのまま載せたものですが、今回のプロジェクトサイトであるマジュロ環礁の地形を見てください。
sitemap.jpg

国土、とは言っても、一番広いところで幅400mほどしかなく、狭いところでは幅6mの国道がそのまま国土になっているのです。これでは、廃棄物を処理する場所もありません。しかし戦後、米国の信託統治領になったことから貨幣経済が完全に定着したために、工業製品はどんどん入ってきています。実際に人々はスーパーで用を足し、プラスチックで包装されたチョコレートを食べています。結果、陸地から近い部分の海は汚染されてしまいました。

この問題は次の問題、「慢性的な輸入超過」に繋がっていきます。
国内では地形がご覧のとおりですから、自力で何でも作れるはずはなく、缶詰、ミネラルウォーターから洗剤、洋服、電化製品に至るまで、ありとあらゆる工業製品が輸入に頼っています。当然、財政は常に赤字です。

という訳で、大洋州の国々は、自国だけでは経済が成り立たず、外国からの援助に頼る割合が極めて高いのです。援助元は米国、日本、豪州やニュージーランドなどです。マーシャル諸島、パラオやミクロネシア連邦など、大洋州諸国でも北側に位置する国々は米国や日本との結びつきが強い傾向にあります。

例えばマーシャル諸島の場合、なんと国家予算の7割を米国からの援助に頼っています。
信じられます?7割ですよ、7割。家計に例えれば、月に20万円で生活するとして、そのうち14万円を人から貰わないと生きていけないんです。国として成り立っていません…。

まあ、極めて乱暴な言い方をすれば、貨幣経済といい国家予算といい、米国に「シャブ漬けにされてしまっている」と言ってもいいでしょう(米国はこの援助を2023年に引き揚げる、と言っていますが、今さらそれも酷い話ですね)。

オセアニアの国々も、土着の民族が伝統的な物々交換経済を行っていた時代は、人口も増えず、環境も汚染されず、土地が持つキャパシティーの中で人々の生活が成り立っていたのでしょう。完全に先進国の植民地拡大政策というエゴの犠牲になっている形ですね。

さて、そんなマーシャル、自国の産業としては何があるのでしょうか。
主なものとしては、コプラ(ココやし:椰子油の原料)の生産、漁業、観光業が挙げられます。しかしこれらだけで国内の雇用を賄えるはずもなく(そもそも、工場すらも建てられませんね)、国民の4分の1が公務員という職種。失業率は統計上15%程度と言われていますが、実際には40%と言う人も。最近行った人から聞いたところによると、若者たちでさえもやることがなく、日中から暇そうにしている、とのこと。

そして、今回のプロジェクト対象である、水。
土地がない、ということは雨の降る面積も少ない、ということです。地形から言って、川が流れる筈もなく、地下水をあてにしてサンゴ礁をあまり深くまで掘ると、海水にぶち当たる、という八方ふさがり。。。特に乾季における給水制限は厳しく、事前情報によれば、1週間に1日(5時間)だけ給水されるケースも存在するとか。

現在は、空港の滑走路(おそらく国内で一番広い平地)に降った雨を空港脇の貯水池に貯めて、そこから配水を行っているのです。もちろん、それ以外にも各家庭で屋根に降った雨を貯水タンクに貯めたり、複数の貯水池を建設したり、といろいろな努力はしているみたいです。

さてさて、供給量を増やすのに何が一番効果的なのか。
しかも、環境問題をクリアしながら。。。
依頼を受けているのは新規貯水池の建設ですが、マーシャルでも海水の淡水化を一部取り入れているようだし…。ちなみに淡水化プラントは、燃料費・プラント維持費などが相当程度かかって、アラブの石油が出るような大金持ちの国でなければ維持不能、というのが一般的な考え方です。

ふぅ。
長くなり過ぎました。
個人的には、ここまで問題山積の国が貨幣経済にどっぷり浸かってしまったら、最後は豪やNZやフィリピンに移民するしか解決方法がないような気がするのですが、、、
って、小生がそんなこと言っちゃあいけません(笑)。
無理矢理!?、モチベーション上げて行って参ります。。。
21:22 | 出張・旅行 | comments (9) | trackbacks (0) | edit | page top↑
宣伝不足? | top | 最近読んだ本から。。。

Comments

# 驚きました。
狭い土地と、川のない地形。同じく水問題がある沖縄と比較しましたが、そんなレベルじゃないのですね。
夫と外務省のマーシャル諸島のページを見ながら、ビックリしてしまいました。
彼は「この国が資本主義・貨幣経済に巻き込まれたのは不幸かもしれないね」と言ってました。

 なにはともあれ、cabronさん頑張って下さいね!
by: ムーニー | 2006/01/23 10:12 | URL [編集] | page top↑
# no title
分かりやすく説明してくださってありがとう。
<完全に先進国の植民地拡大政策というエゴの犠牲>の現状が良く分かりました。
赤道に近い暑いところ、気をつけていってらっしゃい!

by: Dorothy | 2006/01/23 10:38 | URL [編集] | page top↑
# ありがとうございます!
>ムーニーさん

外務省のHPまでご覧になったのですね。
しかも旦那様と一緒に。さすがは国際派のご両名!
自分の仕事は、人に説明しづらいので、理解してくださる方がいる
と嬉しくなります。

今回は何だか、「これだけ問題だらけの国に、少し手助けをした
くらいで何が変わるのだろう」という無力感もあるのですが、与え
られた仕事と思って、できるだけのことは調べてきたいと思います。
by: cabron | 2006/01/24 01:11 | URL [編集] | page top↑
# 決意表明?
>Dorothyさん

今回の説明、理解しやすかったですか?
いつも自分の書いた文を読んで、
「あー、初めて読む人には分かりづらいな」とか
「あー、ここをこう書けばもっと伝わったかもな」
などと反省ばかりなので、純粋に嬉しかったです。

何度かブログ内でも述べていますが、出張はデスクワークから
逃れる貴重な(笑)機会なので、仕事に注力しつつも、楽しんで
きたいと思います!
by: cabron | 2006/01/24 01:16 | URL [編集] | page top↑
# 出張
してみたいです。
歯医者で出張・・・・・・あるとすれば、何処かの小島・・・・
歯医者の無い何処かの小島・・・・・
出張などど軽いものでは無く、二年とか三年とか?!
うーーーーん。
したいけど、やっぱりしたくないかも・・・・・
by: 理々 | 2006/01/25 21:47 | URL [編集] | page top↑
# 歯医者の出張
>理々さん

歯医者で出張。。。
難しいかもしれませんね。
「国境なき医師団」に参加するとか。(http://www.msf.or.jp/index.php
でも、歯医者は聞いたことないかも。

ちなみに小生は実際、不便な国に「転勤で」3年くらい行かされる
職場です。。。
by: cabron | 2006/01/26 00:12 | URL [編集] | page top↑
# マジュロでの感想
こんにちは

1月21日まで1週間マジュロにおりました。医療関係の調査でマジュロに参りましたが、生活のインフラである水道を、sustainableな形で整備することはかなり困難をともないそうでうね。compact moneyがなくてもやっていける生活インフラをきづいていけるのでしょうか。

もっとも、何もなくてもきっとouter atollsのような生活をすることになっていくのかもしれませんが。
マジュロの人たちの気質というのは、そのような生活に適合してできてきたのかもしれないとかんじました。
by: けい | 2006/02/14 16:57 | URL [編集] | page top↑
# 承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
by: | 2006/02/14 17:07 | URL [編集] | page top↑
# 小生の感想
>けいさん

「コンパクト」は、米国がクワジェリンに基地を持ち続ける限りは
延長されるのではないかと、小生は予想しています。確かにおっ
しゃるとおり、彼らだけで持続可能なインフラというのは、ほぼ不
可能でしょうね。悲しいことですが。。。

マーシャル人気質については、近いうちに記事を書きたいと思
いますが、島国気質に加えて、援助慣れが生み出したものだと
考えています。
by: cabron | 2006/02/14 23:29 | URL [編集] | page top↑

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