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本よみの虫干し

関川夏央著「本よみの虫干し」(岩波新書)を読了した。

内容は、著者がブックレビュー形式で近現代の作品を紹介していき、キーワードとともにその時代背景を探る、というものである。作家は日本人に限らず、幾人かの外国人作家も混じっている。

ブックレビューは、忙しい現代人にはとてもありがたい存在である。まず、既にその本を誰かが代わりに読んでくれている。で、話のポイントが書いてある。面白くなさそうだったら、その本は読まなければよい。結果、面白そうな本だけを読める。CDで言えば、ベスト版を聞くのと同じだ。(そうしても中にはハズレがあるかもしれない。ベスト版にも聞かない曲があるのと一緒だ。)

これまでに幾つかのブックレビューを読んできたが、本書は私のような頭の弱い人間にも取っ付き易かった。その理由は、
? 一つの作品について3~5ページ程度で簡潔に紹介しており、読み易い。
? 文学はその時代を映す鏡であるという普遍的なテーマに貫かれており、各時代の作品を分析することによってそれを実証している。

かつて文学は、青年が教養あるオトナになるための必須アイテムであったようだが、現代ではテレビや家庭用ゲーム機にその役割を取って代わられている。文学は活字のメディアであり、内容を諒解するためには思索という作業が生じる。また、その解釈も読者によって多様である。これと比較して、テレビ番組やゲームには受け手側の解釈の余地が少ない。そのせいか、確かに我々の世代は、昔のオトナたちと比較すると想像力に乏しく、精神的に幼い傾向があるように感じる。(テレビやゲームへの批判ではない。これについては別の機会に述べたい。)心理学などで「青年の幼児化」「成熟への拒絶」という言葉が使われるようになって久しいが、人々の共通認識が月9やエンタの神様やプレステ2や大塚愛程度であり、大学の一般教養が「パンキョウ」と呼ばれ、そのステータスが地に堕ちた現状ではそれも仕方あるまい。

著者によればこのブログも、「インターネットに見られるだらだらした自己表白」であり「近代小説が、大衆化の果てに究極まで退化した姿」だそうだ。質の違いこそあれ、確かに自身の切り売りという点では、私小説もくだらないブログもワイドショーに出る芸能人も大差ないのかもしれない。

自分は既に中年と呼ばれる年代に入ってしまったが、遅まきながらかつてのオトナに追い付くべく思索を続けたい。青年の幼児化が進んでいる現在、今から教養を学ぶくらいで丁度いいだろう。

ちなみに初めて知ったが、関川夏央は(中退したようだが)私の大学の先輩にあたるらしい。
02:23 | 読書 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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